研ぎについて


Q)  実は、私は研ぐことが好きで、自分の包丁は自分で研いでいるのですが、刃物のさくまのホーム

 

   ページを見て、刃物の研ぎ方の説明が無いのは何故だろうと思いメールしました。

 

   特に何か理由があるのでしたら教えてください。 尚、私は 中砥と仕上砥の2種類を使って

 

   研いでいるのですが、2週間ぐらいすると切れなくなります。

 

   もっと長く持たせることは出来るでしょうか?

00.11.23 J.T

 

 

A)  メール有難う御座います。まず当ホームページに、研ぎ方の説明が無いのは、20数年刃物に

 

   関わってきた結論として、研ぎ方は、砥ぐ人と同じだけの種類がある。という思いから

 

   これだ!という研ぎ方(自分の研ぎ方になりますが・・・)の説明は、あえてしません。

 

   砥ぎに関しては、まず研いで見てうまくいかなかったところを見つけ出し、どうすれば・・・・という努力を

 

   続けていくものだと思っています。経験談として自分の研ぎのルーツは、㈱ミソノ刃物にて教えて

 

   いただいた物ですが、最初の研ぎの師匠矢野さんが、自分に庖丁を持たせて一言、「研いでごらん」

 

   といわれたのです。自分は、ハッとして「研ぎの修行に来たのだから、研ぎ方を教えてください。」と

 

   言葉を返しました。すると矢野さんは「だからまず研いでごらん。研いでみてからでないと何を

 

   どうしろ!とも教えられないよ」と・・ 習うより慣れろ! の言葉をその時思いました。

 

   つまり体を使う事は、まず体を使う事が大切だと言うことです。

 

   但し、覚える途中で自分で研いだ庖丁をプロに見てもらい、アドバイスを受ける事は、重要です。

 

   切れ味を長持ちさせるには、まず砥石は、必ず 荒砥、中砥、仕上砥 と3種類使いましょう。

 

   誰が研ぐのでも(素人でもプロでも)刃物を研ぐためには、最低3種類は必要な物なのです。

 

 

   後は、ともかく 本数を研ぐことにつきます。地道ですが努力するしかありません。ガンバッテ下さい。

Q)  先日主人がドイツ製の庖丁研ぎ器を買ってきてくれたのですが、私が使っている庖丁は日本製です。

 

   この研ぎ器で研いでも良いでしょうか?教えてください。

 

01.2.27  S.T

 

 

A)  あまりお勧めしません。 というのは、ドイツ製の研ぎ器で日本の庖丁は・・・・・・のような相性の問題より

 

   一般に簡易庖丁研ぎ器(国産品、輸入品とも)と呼ばれる物で、その庖丁が持っている本来の刃持ち

 

   がどこまで再生出来るのか?と考えた場合と、研ぎ器をかけることによって研ぎ器自体が庖丁に

 

   与える影響を考えると、 出来れば使わない方が良いでしょう。

 

   もちろん、砥ぎ器の中での優劣を付けることはできますが、やはり砥石研ぎにはかないません。

 

   ところが、ここで問題なのが、どなたでも切れるようにならないのが、砥石研ぎでもありますので、

 

   全ての研ぎを、研ぎ器まかせにせず、研ぎ器で数回研いだら、砥石研ぎの専門家に研いでもらう

 

   ようにしたらどうでしょうか?決して簡易庖丁砥ぎ器に100%頼らないようにすれば良いと思います。

 

   但し、何でも誰でも研げるのが簡易庖丁研ぎ器の(特に砥石で研げない人にとっては・・・)特色では

 

   あるのですが、 簡単に研げるという事は、簡単に切れなくなる! つまり刃持ちは、短いですから

 

   その点はご注意下さい。刃物屋の意見としましては、「簡易庖丁研ぎ器で完全に研げるのなら、

 

 

   私も砥石から、簡易庖丁研ぎ器に変えます!」というのが最終結論になるでしょう。


尚、誠に勝手ながらお返事には、2~3週間頂いておりますのでご了承下さい。